2010年9月26日日曜日

抱っこ

文豪達が愛したKADO、贅沢で繊細な今のケーキとは一線を画す
いまどきの人の舌には合わないのかもしれない、だけれども昭和を知る人には懐かしい味わい、温かみのあるデザイン
四ヶ月目のお誕生日おめでとう。


きみを抱っこするのが好きだ

初めの頃、重くて、慣れなくて、こわごわと抱えていた
肩も背中も腕も痛かった

今では生まれたときの二倍の重さになった
だけど今、私は軽々ときみを抱っこする

きみを抱っこするのが好きだ
それで、きみが眠っている顔を見るのが一番好きだ
私の腕のなかで、全身の力が抜けて、無防備にだらんと抱っこされているきみ
あおむけの、やや下方から煽りのアングルで見るきみの顔は
ちょっと栗饅頭のような感じで
それもまたかわいい
口がぽかんと開いてたりしてもかわいい
ちょっと薄目が開いているのは怖いけど、でもやっぱりかわいい

眠っているきみのすべすべのほっぺたに、そっと自分のほほをあててみる
つるんつるんのぱんぱんのほっぺたが気持ちいい
ちいさな寝息が耳元に届く
そしてかすかなミルクの香り
きみの体温
五感すべてがきみを感じ取る

きみは私の腕のなかで眠る
何回、何十回、何百回、、、
きみは私の腕のなかで眠りにつくのだろう

いつかきみは、今よりもっともっと重たくなって
いや、そうでなくても
私に抱っこされることを嫌がるようになって
いつかがきたら
もう二度と、きみを抱っこすることもない

今だけの重み
今だけの幸せ

今だけだから
思い切りきみを抱きしめたい
思う存分抱いていたい
この温もりを
この安らぎを
この愛しさを
私の心に焼き付けたい
何度も何度も、決して忘れることのないように何度も

2010年9月24日金曜日

結合

初めて歩いて一緒に出かけた
ふたりだけの記念日


神経経路が結合する
ばらばらだった心と身体
次第に統合されていく

きみが、興味を惹かれるものへ手を伸ばし始めた
伸ばした手が対象物を捕らえ
きみは欲しかったそれを掌中におさめる

おそらく、それが、「人間である」ということ

これから先きみは幾度も幾度も繰り返すだろう
欲しい、と望み
それを手に入れるために努力し
そして欲しいものを手に入れる

人生はその連続
始まりはたったひとつのちいさなお人形

2010年9月18日土曜日

たからさがし

久しぶりにあった友人
変わらない笑顔
きらきらとした人懐こい眼差し
こどもであろうとおとなであろうと
相手の瞳を見て、話を聞いて、うなづくきみ
すこしも変わっていない
そのことがとても嬉しく、慕わしく

でも、今日、ふと気がついた

きみは表現することにとても繊細で、
言葉をじょうずに、丁寧に選ぶ
だから話上手なひとだと思っていた
だけど、
本当は、聞き上手なのかもしれない

きらきらした瞳で、相手を見つめる
あなたのお話に興味があるよ
そんなシグナルがきみの表情から、仕草から伝わってくる
きみのそんな顔を見ていたら
今頃気がついた

知り合って長い長い年月が過ぎたけれど
まだ発見できることがある
今度、またきみに会えたら
私はなにを発見できるだろう

授けられる

命をさずけられた
もう数十年も前の今日
母から、父から
命をさずけられた

一年前のある日
命をさずけられた
かみさまから、
命をさずけられた

そして初めて知った
生きる、ということは
生きている、ということは
それだけでとてつもなくすばらしいことなのだと

今、生きている
それはだれかが大切に大切に育んでくれたということ
ひとりで大きくなった人間はひとりもいない
みんな誰もが、誰かの大切な宝物

向上心。

私が一番好きな花は薔薇、優しさだけで出来た花束
遠方からきた可愛らしいお客様からのプレゼント

このところの流行は
寝返りをうとうとして、仰向けからうつぶせへ
だけど下敷きになった手をうまく外すことが出来ず、
結局はまたころんと仰向けに逆戻り
時々、出来ないことに苛立って声をあげる
でもまたすぐに、うつぶせにチャレンジしている

何度も何度も、きみは飽かず繰り返す
もどかしさに身を捩じらせ、苛立ちの声をあげながら
きみは何度もおなじことを繰り返す

だれも教えてない
ある日突然、きみはきみ自身にそれを課す

そうして出来るまで、何度でも、何度でも
もし出来なかったらどうしよう
なんて、きみは考えない
どうせ出来やしないんだ
なんて、ちらりとも思わない
一瞬たりともネガティブな思考が入り込む隙間はなく
きみはただ、前へ前へ、進もうとだけする

諦めや妥協を知らない
ゴールへ到達することしかイメージしていない
だれもがそんなふうだった
生まれたばかりの頃は

諦めない精神、前にしか進まない心
きみは今日初めて、仰向けからうつぶせになった
それは母への誕生日プレゼント、とても尊い誕生日プレゼント

2010年9月12日日曜日

愛しさに胸が詰まる

かぼちゃのテリーヌ、塩味がきいていてなかなか美味

鴨のポルペッティと茸のスパゲッティーニ、いわゆるミートボール、鴨だからあっさりカモ


栗の焼き菓子とフランボワーズのムース、栗の渋み?なかなかクセになる、フランボワーズはさっぱりと甘酸っぱく


きみが腕のなかで眠るとき
愛しさに胸が詰まる

身体中の力が抜けて
私の腕にずっしりときみの重み

生まれてすぐはとてもちいちゃかった
今、生まれたときの二倍近くの重さに

増していく重みは
命の重み

腕のなかに感じる
きみの重み
それは愛しさと比例している

愛しくて、胸が詰まる
そんな思いは初めてだ

溢れる

きみを見ていると
ふいに涙が溢れる
きみはただ笑っただけなのに
きみはただ泣いただけなのに
きみはただひとりで遊んでいるだけなのに
きみはただくしゃみをしただけなのに

きみを見ていると、
そんななんでもないことが
とても大切で、とても愛おしいということに
気づかされる

きみを見ていて知るのは命のいじらしさ
だから、君を見ていると涙が溢れる

無限

腕のなかのちいさい身体

ずいぶん大きくなってきたなって思っていたけれど・・・
こうして抱えているとどれほどちいさいか

きみさえ望めば
きみはなんにだってなれる
空を飛ぶスーパーウーマンにも
かわいい奥さんにも
お花屋さんにも
先生にも
スチュワーデスにだってなれるだろう

無限の可能性のなかから
選べるのはたったのひとつ

きみはどんなひとつを選ぶのだろう

願い

きみを見ていると、つい
いろんなことを願わずにはいられない

健康であってほしい
笑顔であってほしい
幸せであってほしい
苦労は出来るだけないほうがいい、でも人間としての成長過程なのかな、苦労も必要かな・・・
美人さんになったらいいな
お友達たくさん出来たらいいな

いろいろ願うけれど
本当はたったひとつ

きみの心を知りたい
きみの喜び
きみの哀しみ
きみの怒り
きみの挫折
きみの幸福
きみの心がなにかに触れたとき、きみの心はどう動くのだろう
きみはどんな人なんだろう

今はまだきみの心のなかは見えない
きみが大きくなるにつれ、きみの心が育っていくつれ、それは見えるようになっていくのだろうか?

きみは、どんな人なんだろう?
きみをもっともっと知りたい、たくさん知りたい

母の記憶

夕暮れ時、ピンクの空

韓国のお土産、マロンクリーム入りのチョコレートなかなか美味しい
以前貰ったのはチャングムの誓いのパッケージのチョコレート
韓国ドラマのパッケージが流行なのかな?


今は便利な機械があって
毎日のようにキミのビデオ撮影会
あんな表情もそんな表情もぜんぶ記録に残したくて
母はしょっちゅうビデオを片手に

うつ伏せから仰向けにコロンと出来た決定的瞬間もばっちり
揉み手するようになった姿もきっちり
ぬいぐるみを両手で抱えてる姿もしっかり

そしてキミが眠った後は、キミのビデオでまたキミに会う

あれ?
なんだかすこし違う・・・

さっきまでほんのちょっとしか上げられなかった頭を、両手を支えて持ち上げられるようになった時の得意げな顔
一生懸命ミルクを飲んで、おなかがいっぱいになればまばたきの回数が増えて次第にまぶたがおりてきてそのままおねんね

画面には切り取った瞬間しかない
その瞬間に出会うまでのキミの姿は残っていない
胸のなかに抱きかかえたときに感じるキミの愛しさ
うつ伏せでも胸が苦しくない様に真剣なまなざしで何度もチャレンジするいじらしさ
そういうものは、母の記憶にしか残らない

ぜんぶを残しておきたい
だけど、ぜんぶ残っているのは、ただ母の記憶にだけ
それは長い長い道のりをキミとともに歩んでいくための神様からのプレゼント
母だけの特権

2010年9月7日火曜日

日進月歩

日本一!


生まれたばかりの頃
きみは寝たっきり

身体の筋肉が未発達で
寝返りもうてないし
横向きになることも出来ない
モノを掴むことも出来ない
目もあまり見えていない
生命を宿しただけの物体

でも、きみの心が、身体が、
どんどん強くなっていく

きみが手を合わせる
たったそれだけのことが
きみは昨日まで出来なかった
きみの右手がきみの左手をしっかりと掴む

きみは足を上げるのが得意だ
腰の力が強くなったから、ただ足を上げるだけじゃない
上げた足を支えきれなくなると、
ぱたんと横に倒れて、君は横向きになる

胸を圧迫されて嫌いだったうつぶせ
腕の力が強くなり、手で上体をすこしだけ支えられるようになる
そうしたらうつぶせのきみは、にっこり笑顔

昨日まで、そこにあったおもちゃを掴むことは出来なかった
今日、気がついたら、きみはおもちゃを掴んで
一生懸命お味をみていた

もちろん、大変なことも増えていく
泣き声がたくましく響き渡るようになり
私の腕のなかで全身をつっぱって暴れまわる
きみはずいぶん大きくなったので、
暴れるきみを抱っこするのもひと苦労

ただのかたまりだったきみは
どんどん、進化する

きみの小さな身体にみなぎる、溢れる力
生きようとする力、
前に前に、上に上に、進もうとする力

誰でも、それを持っている