
生まれたばかりの頃
きみは寝たっきり
身体の筋肉が未発達で
寝返りもうてないし
横向きになることも出来ない
モノを掴むことも出来ない
目もあまり見えていない
生命を宿しただけの物体
でも、きみの心が、身体が、
どんどん強くなっていく
きみが手を合わせる
たったそれだけのことが
きみは昨日まで出来なかった
きみの右手がきみの左手をしっかりと掴む
きみは足を上げるのが得意だ
腰の力が強くなったから、ただ足を上げるだけじゃない
上げた足を支えきれなくなると、
ぱたんと横に倒れて、君は横向きになる
胸を圧迫されて嫌いだったうつぶせ
腕の力が強くなり、手で上体をすこしだけ支えられるようになる
そうしたらうつぶせのきみは、にっこり笑顔
昨日まで、そこにあったおもちゃを掴むことは出来なかった
今日、気がついたら、きみはおもちゃを掴んで
一生懸命お味をみていた
もちろん、大変なことも増えていく
泣き声がたくましく響き渡るようになり
私の腕のなかで全身をつっぱって暴れまわる
きみはずいぶん大きくなったので、
暴れるきみを抱っこするのもひと苦労
ただのかたまりだったきみは
どんどん、進化する
きみの小さな身体にみなぎる、溢れる力
生きようとする力、
前に前に、上に上に、進もうとする力
誰でも、それを持っている
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