
以前も日記に綴ったが、今年5月にガンで亡くなった中島梓さんの絶筆、『転移』が出版された。
これは再発してから死の直前、昏睡状態に陥る当日まで書き続けられた中島梓さんの個人的な日記だ。
今日は誰それに会った、今日はなにを食べることが出来た、原稿を何枚書くことが出来たか、出来なかったか、身体の調子がどうか・・・
そういった個人的な日常の記録が続いている。
そして最後に・・・・・・
死は本当に突然訪れるものなのだということを、改めて知った。
それがたとえ明日をも知れない闘病生活を送っている方であったとしても、だ。
本当に、真実、「その瞬間がいつなのか」は誰にも分からない。
呼吸が停止し、心臓が機能を止める瞬間は、誰にも分からない、もし認識することが出来たとしてその直後に自分自身という意識体はこの世から消えてしまっているのだ。
最後の日の日記を見た瞬間、涙がとめどなく溢れた。
「生きたい」
叫びが、聞こえた気がした。
改めて、死は恐ろしい、と思った。
今日、私は紅葉を見た。
近所のお寺のお庭だったが、それはとても美しかった。
生命には限りがある。
だからその最後の瞬間まで力を尽くして精一杯生きることは、生命あるすべてのものの義務だと思った。
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