
気がつけばカレンダーも12月に変わっていた。
知らぬ間に、2009年も残すところあと一ヶ月を切っていた。
年々、過ぎてしまえば、あっという間の一年だったように感じる。
これは年若い人にはなかなか分かりづらい感覚だろう。
生きている年数に占める一年の割合が、私と若い人とでは断然に違う。
私にとって一年があっという間に、慌しく感じられてしまうのは、それだけ長く生きたということの証のように思える。
歳を取ると、若い頃には気にも留めなかったようなことが、ふと目に留まることに気がつく。
紅葉の色合い、若い頃はただ「綺麗だ」と思うだけだった。
しかし今の私は、この微妙な色の重なり、一枚の葉にのった赤み、黄み、青み、その絶妙な色合いに、刹那を感じ、なんとも言えず生命の味わいのようなものを感じる。
真っ赤に染まった紅葉よりも、まだ染まりきる前の赤みがかった黄色い色味の紅葉。
私が今一番好きなのは、そういった色合いだ。
強烈過ぎず、主張し過ぎず、柔らかく暖かで、運命を静かに受け入れている。
その静かな佇まいに、心が凪ぐ。
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