恐いものがある。
それは、死ぬこと、私が、誰かが。
ほんの数秒前まで、呼吸していた。
ほんの数時間前まで、笑っていた。
だのに、もう、笑わない、語らない、抱きしめてくれない。
その境界線の前後で違うものはたったひとつ。
身体の機能が動いているか、いないか、たったそれだけのこと。
なぜ身体の機能が失われて、心まで無くなってしまうのか。
昨日まで、さっきまで、そこにあったはずの「心」は死とともにいったいどこへ行ってしまうのだろう。
死が恐い。
恐いのは、心を連れ去ってしまうから。
私と言う人間を他者から隔て区別していた「心」が、私が私である証の「心」が、あなたがあなたである証の「心」がどこにもいなくなってしまうから。
死を恐れる。
生を愛するが故に。
自身の生を、あなたの生を。
あなたへの愛着が深くなればなるほど、死への恐れも、、、畏れも、増していく。
死を恐れることのできる人は、生を愛することができる人。
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