綺麗な赤い花、大好きな南国の香り
母は、仕事がひと段落つくと珈琲(またはアルコール)を片手に煙草を実に美味しそうに吸う。
母がベランダで煙草を吸っているのを見ると、ふと、十ヶ月前に止めて、それ以来吸いたいと思わなかった、このまま止められるかなと思っていた煙草を吸いたくなってしまった。
煙の匂いは今でも鼻につく。
味も忘れた。
だけれども。
仕事と仕事の合間に、ふと自分を取り戻したくなった、または頭のなかを切り替えたくなったときの煙草の旨さ。
それは味わいがではない、その時間が旨いのだ。
そしてアルコールが入ったときに、ふと煙草に火をつける瞬間。
ゆらっと炎があがり、煙が立ち上る。
私が煙草を吸っていた理由を思い出した。
煙草がもたらすほんの数分の特別な空間。
それが好きで、私は煙草を吸っていたのだ。
せっかく止めたのにな、という私と。
自分の人生を豊かに彩るアイテムじゃないか、と思う私。
どちらの私が勝つかは、あと数ヵ月後に委ねよう。
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