2010年3月17日水曜日

特別な才能。



母上から電話があった。
ホワイトデーにプレゼントを贈った。
ホワイトチョコと苺のパウンドケーキ。
沖縄旅行で作った漆喰のシーサー。
シャネルNo.5の香水。

甘いものが苦手な母だが、パウンドケーキを味見してくれたようだ。
しきりと褒める。
「お姉ちゃんはまめには(料理)やらんけど、やったら上手やもんねぇ」
そしてシーサーも褒める。
「そういえば中学生のときも『手』を上手に作っとったもんねぇ」
褒める褒める、褒めたおす。
いったい誰の話をしているんだろう?
聞いている私はふと不安にかられる。

特別な才能が、どうやら私にはあるらしい。
でもそれは母にしか見えない。
第三者が客観的に見ると、私には特別な才能はない。
可もなく、不可もなく。
それが世間的に見た私。

だけれど。
母にしか見えない、私の特別な才能。
そういうものがあるらしい。
そういうのも悪くない。

きっとどの子も。
母親から見たら特別な才能の持ち主。
母親にしか見えない、キラキラしたなにかを、みんな持っている。
あかちゃんも、小学生も、高校生も、社会人一年生も、三十路も四十路も、五十を過ぎても、六十になっても。
母親にしか見えない、特別な才能を、誰でも持っている。

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