2009年10月12日月曜日

秋の日のヴィオロンの溜息の・・・


身に沁みて ひたぶるにうら悲し

ヴェルレーヌの有名な「落葉」の一節です。
秋の公園を散歩していると、ふとそのフレーズが思い浮かぶ。
ヴェルレーヌの詩もさることながら、これを訳した上田敏の日本語の感性がすばらしく心に残ります。

でも、ヴェルレーヌが読んだ季節はもうすこし秋が深まった頃でしょうか?
木々が黄色く色づく頃。
秋ももうすぐそこまで来ていますね。

水面に映る景色。
風もなく、なんのさざ波も立たぬ静けさだからこその水鏡は、見つめていると心が澄んでいく。

秋には静けさがよく似合う。
静けさには無がよく似合う。

秋の日、あたたかい陽だまりを歩きながら感じるのはただただ自然の気配。
すこし肌寒くなってきた風、やわらかい草木の香り、水の匂い。
感覚を解放すれば、私と自然は一体になれる。
錯覚が心地よい。

0 件のコメント:

コメントを投稿